突然死の原因《虚血性心不全》予兆となる10の症状に警戒せよ!

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虚血性心不全の予兆

人間誰しも、最期は苦しむこと無く『ピンピンコロリ』で逝きたいと思っているはずです。死の間際になって、経験したことのないような痛みを味わうなど、誰一人として望むことはないでしょう。

しかし近年、増加傾向にある突然死の主な原因となっている《虚血性心不全》は、激しい痛み・息苦しさを伴った末に心臓が止まります。

つまり死の間際に、誰もが避けたい『経験したことのない痛みと苦しさ』を味わうことになるんです。

「突然死だから予測のしようがない」と思う方も多いでしょう。しかし意外なことに、実は、虚血性心不全には思ってもいないような予兆があるのをご存知でしょうか?

この記事では『虚血性心不全とはどういった病気なのか』ということを皮切りに、健康診断では分かることのない『虚血性心不全の予兆となる意外な症状』について話しています。

『ある日、突然倒れて命を落としてしまう』といった不幸を未然に防ぐためにも、ぜひ最後まで読んで頂いて、あなたご自身は当然のこと、あなたの大切なご家族の尊い命を守って頂きたいと思います。

 

虚血性心不全とは

元プロ野球選手で、名将としても名高い野村克也さん。

その野村さんの最愛の妻である野村沙知代さんが突然死されたニュースは、みなさんの記憶にも残っていると思います。

その突然死の原因が、近年急増している『虚血性心不全』です。

虚血性心不全という病名は浸透していますが、そもそも、どういった病気なのか知らない方も多いかと思います。

  • 虚血=血が通わなくなる
  • 心不全=心臓の機能が低下する

上記の2つが原因となって、死に至ってしまうのが虚血性心不全なんです。

虚血性心不全は『狭心症や心筋梗塞』の総称

一般的に知られる『狭心症や心筋梗塞』も、虚血性心不全に含まれています。

心臓に酸素や栄養を送る冠動脈(血管)が、動脈硬化によって細くなってしまい、心臓に運ばれるべき酸素や栄養が足りない状態になるのが狭心症です。

一方で、血液が完全に詰まって、血液が途絶えた状態を心筋梗塞といいます。

これらが原因となって、心臓の働きが弱ってしまうことを総称して《虚血性心不全》と呼んでいます。

心臓の筋肉が壊死する

心臓に血液が行き渡らなくなると、必要な酸素や栄養が不足してしまうことになるので、心臓の筋肉は壊死します。

動脈硬化による心筋の壊死

虚血性心不全樋口義治先生のウェブサイト』より画像を引用

筋肉が壊死すると、当然のことですが、心臓のパワーは落ちてしまいます。心臓のパワーが落ちると全身に血液を送ることができなくなります。この一連の流れが《虚血性心不全》なんです。

最終的には心臓が止まってしまい、死に至ることとなります。

虚血性心不全は尋常ではない痛みを伴う

冒頭でも述べているように、虚血性心不全というのは、死の間際に経験したことのないような、尋常ではない痛みと息苦しさを伴います。

そして、死に至るまでの時間は人によって様々です。

1分ほどで意識を失ってしまう人もいれば、30分以上も苦しみながら亡くなっていく方もいます。突然死だからといってコロリと逝くことはなく、非常に苦しい病気だと言えます。

虚血性心不全は肺の機能も低下させてしまう

心臓が十分な酸素を送れなくなった場合、送り出す血液の量を増やすために、心臓は激しく鼓動します。

しかし、そもそも心臓が弱っている状態なので、いくら頑張っても血液を上手く送り出すことが出来なくなっています。そのため、心臓の上流に血液の渋滞が起きてしまうんです。

心臓の上には肺があるので、血液の渋滞が起きると、そこに水が溜まることになります。

水が溜まることで、肺の酸素交流の働きが低下してしまい、酸素をうまく取り込めなくなり息苦しくなるんです。

虚血性心不全は、痛みと共に、こういった原因から呼吸障害も伴うことになるので、その苦しさは想像を絶するものだと言えるでしょう。

 

虚血性心不全は高齢者だけの病気ではない

一昔前では、虚血性心不全といえば『=高齢者の病気』と言われていました。

しかし今はもう、たとえ40歳代・50歳代でも当たり前の時代になっています。なぜ若年化しているのかというと、食生活の乱れや社会的ストレス、運動不足といったものが主な原因と言われています。

主要死因(3大死因)による年齢別死亡者数

主要死因の年齢別死亡者数三重県ホームページ』より画像を引用

このような原因から血管の老化が進行して、動脈硬化へと繋がるんです。動脈硬化が進行すると、心臓への血流が滞ってしまい、虚血性心不全を引き起こすことになります。

現在、糖尿病患者が年々増えているのですが、これに比例して虚血性心不全が原因での死亡者が増加している現状もあります。

 

虚血性心不全は健康診断では分からない

日常の一般的な生活では、心臓に負荷がかかっていません。安静にしている状態というのは、心臓も落ち着いた状態で働いています。

そういった状態ならば、冠動脈が細くなり虚血状態になっていても自覚症状はありません。つまり、日常生活だけであれば、虚血状態となった少ない血液の流れでも、命に関わってくるような事態にはならないんです。

ところが、これが心臓に負荷のかかる運動時となると、話はまったく違ってきます。

運動時の状態で心電図をとることはない

運動時といっても、ジョギングやウォーキングなどの時だけではなく、少し急ぎ足で動いたり階段の上り下りといった場合も含まれるのですが、こういったときは大量の血液(酸素)が必要となるんです。

そのため、虚血状態の方というのは、心臓に十分な血液を送ることが出来ないため酸素不足の状態となるので、息切れしたり胸が苦しくなったりします。

こういった状態で心電図をとれば異常が出るのですが、通常の健康診断では、そんなことはしません。

虚血状態が潜伏しているにも関わらず、健康診断で《異常なし》と見逃されてしまうことが多いのは、こういった理由があるからです。

心臓は症状が出にくい

心臓というのは、数ある臓器の中でも非常に強くて頑丈な部位です。

そのため、血管が通常の50%~60%くらいまで細くなっても、なかなか症状が出ることはなく、100%近く細くなってようやく症状が現れることが多いのです。

自覚症状がないまま、ある日突然命を落とす――それまで普通に元気にしていた人が、虚血性心不全によって突然死する理由というのは、こういったところにあります。

「ポックリ逝けるならそれでいいよ」と思う方は多いかもしれません。

しかし、虚血性心不全で亡くなる瞬間の苦しみや痛みというのは、例えられないものがあるといいます。出来ることならば、誰もが避けたい病だと言えるでしょう。

ですが残念なことに、現段階では、虚血性心不全の発症を事前に予測することは、ほぼ不可能に近いんです。

 

《予兆》を知って虚血性心不全を予防しよう

心臓は強くて頑丈な臓器が故に、異常があっても見逃されやすいため、虚血性心不全の予測はまず無理と言えます。

しかし、予測は無理でも『予兆』がまったくないわけではありません。実は、虚血性心不全には、様々な症状が予兆として関係していると言われています。

そこでここからは、虚血性心不全に関係している予兆について具体的に話していくので、ぜひご自身やご家族の症状と照らし合わせて、虚血性心不全による不幸を避けるヒントにして頂ければと思います。

虚血性心不全の予兆①:夜間頻尿

夜間頻尿と虚血性心不全――普通に考えて、何も関係ないように思えますが、意外にもこの2つは大きく関係しているんです。

夜間頻尿

慢性の心不全になると、心臓の負担を少しでも減らすため、BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)という、排尿を促進するホルモンが分泌されます。こういった理由からトイレが近くなって、夜中に何度もトイレに起きてしまうことになります。

つまり、心臓に問題を抱えている人というのは、夜間頻尿である可能性が高いことになります。

スウェーデンの研究機関の調査で確認

夜間頻尿のある方は、虚血性心不全や脳梗塞などの血管疾患が発生しやすいことが、スウェーデンの研究機関で確認されています。

また、そういった血管疾患を引き起こした後の生存率が低いことも確認されています。

夜中に何度もトイレに起きてしまうという人は、心臓血管外科などを受診して、専門医の指導を受けることをお勧めします。

水分の摂り過ぎには注意

眠る前の水分の摂り過ぎには注意が必要です。

とくに高齢者の場合、唾液の量が減ってしまうので、のどが乾いてついつい水を飲みすぎる傾向があります。

しかし、出来る限り就寝前の水分摂取は控えるようにした方が良いと言えます。

『水分を摂ることで血液がサラサラになって、脳梗塞や心筋梗塞を予防出来る』ということから、就寝前に、必要以上に水分を摂る方が少なくありません。しかしこれに関しては科学的根拠がないんです。

就寝前の水分摂取は、多くてもコップ1杯ほどで抑えておくようにして頂きたいと思います。

虚血性心不全の予兆②:浮腫み(むくみ)

心臓に問題を抱えている場合、むくみがひどくなることが少なくありません。

心臓のポンプ機能が低下すると、より多くの血液が必要となるので、体が水分を溜め込むようになります。これが浮腫みの症状となって現れます。この溜まった水分が、寝ることで夜間頻尿を引き起こす原因となるんです。

これは、人間の体というのが、寝るとリラックスすることに関係しています。

リラックスすることで、細胞などの組織の間に入っていた血液(水)が血管に戻ります。戻った水分(血液)は尿として体外に排出するように働くので、夜中に何度もトイレに起きる《夜間頻尿》となるんです。

手足の浮腫みがひどい場合、まずは、就寝前に『むくみ対策』をしてみましょう。

寝る前に行う簡単な《むくみ対策》

浮腫みの対策としては、就寝前に『足上げ』を行うと効果的だと言われています。やり方は、誰にでも出来る簡単なものなので、積極的に行うことをお勧めします。

浮腫み対策《足上げ》のポイント

就寝前に、クッションなどに両足を乗せるだけの簡単な方法です。

浮腫み対策

ポイントとしては、上の画像のように、ひざ下からふくらはぎの部分をクッションに乗せることです。寝る前にこの姿勢をとることで、血液の循環が良くなり浮腫みを予防・改善することが出来ます。

心臓や血管のポンプ機能が改善されて、虚血性心不全を予防する効果も期待できるので、毎日の就寝前にぜひ実践して頂きたいと思います。

虚血性心不全の予兆③:胸の痛み

夜間頻尿に加えて、胸の痛みがある人は要注意だと言えます。

虚血性心不全の予兆

虚血性心不全の予兆として考えられるのは『5分くらい胸全体がギューッと締め付けられる』ような痛みです。『胸が毎日痛い』『1週間くらい痛みが続く』といった症状の場合、虚血性心不全ではなく、別の病気の可能性が高くなります。

ただ、予兆であろうとなかろうと、これらのような痛みがある場合は、まず専門医に診てもらい、必要な治療を受けることが重要です。

最も恐ろしいのは『潜病』の状態

血管の壁のパンパンに張ったプラーク(動脈硬化病巣)が破れたときというのは、最も危険な状態となります。

このとき、破れて切れたところから内出血を起こして、血の塊ができます。それが一気に血管を詰まらせることになるんです。しかし、詰まるまでは血が流れているので、症状が出ない『潜病』の状態となります。

潜病の状態が、ある日いきなり破裂して虚血性心不全となり突然死の原因となるんです。

ある日突然『それまでのスピードで歩くのがしんどい』などの《運動時の異常》が見られる場合は、虚血性心不全の予兆(潜病の状態)を疑ったほうがいいと言えるでしょう。

虚血性心不全の予兆④:その他7つの症状

虚血性心不全の予兆①~③以外にも様々な予兆があるので、日頃の自分やご家族に照らし合わせて頂きたいと思います。

予兆を疑う7つの症状
  • ベッドに入ると咳が出る
  • みんなと歩いていると自分だけが遅れる
  • 坂を上がると息切れがして苦しい
  • 歯や顎(あご)が浮いているような感覚がある
  • 左肩が痛む
  • 手足の先が冷たい
  • 冷や汗が出る

予兆③で挙げた『胸が痛い・苦しい』にプラスして、上記7つの症状のうち2つ以上当てはまる場合は、虚血性心不全の予兆と考えられます。

もちろん、予兆③にプラスして、予兆①の『夜間頻尿』や、予兆②の『浮腫み』がある場合も、虚血性心不全の予兆の危険性があります。こういった症状のある方は、とにかく専門医に診断してもらうことをお勧めします。

 

まとめ(虚血性心不全の予兆となる10の症状)

虚血性心不全は、高齢者だけではなく、成人であれば誰でもなる可能性があります。

20代や30代の若年層でも、動脈硬化というのは少なからずあるものなので、それをいかにして管理していくかが、虚血性心不全での突然死を防ぐために重要となるんです。

当然のことなのですが、自分自身やご家族の生活習慣を見直すことも必要だと言えます。

たとえば『内臓脂肪を減らす』『ウォーキングなどの有酸素運動を日課にする』といったことが、虚血性心不全を予防することに繋がります。

最期の最期で『苦しみながら逝く』という最悪のシナリオを避けるためにも、まずは、常日頃から《体調管理を万全にしておく》ことが、何よりも重要だと言えるでしょう。

 


 



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